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いかにも「受験企画もの」という感じで、勧められてもちょっと敬遠していたけれど、いったん読み始めてみるともう止まらなくなった。ああ、こんな先生が自分の受験のときにもいたらなあ…そんなため息が数ページに一度は出てしまう。
「人に動かされて自分があるんじゃねえ、自分で自分を動かしてるんだ」
「東大の問題は無機質ではない。問題作成者の血の通った生きた問題だ」
「正しく読む、とは筆者との心のキャッチボールなのです」
「数学は芸術だ」
印象的な名フレーズのオンパレードで、生徒たちの心をどんどん引き付けていく。決して奇をてらった内容ではなくて、むしろ「王道を行く」ど正統派の授業の話だったりするのに、なんでこんなにおもしろいの? 勉強や受験についての暗いイメージが、小気味いいほどこっぱみじんに打ち砕かれて、どんなダメ生徒もみるみるやる気になっていく。
各教科の先生のキャラが、見事に立っているのもおもしろい。
たとえば、英語の川口先生はNY帰りで、年中タンクトップ姿のマッチョなおじさんだ。「楽しく楽して英語を学ぼう」が口癖で、ビートルズの歌やエアロビで授業を盛り上げてくれるし、さりげなく腕の筋肉をぴくぴくさせて生徒を笑わせてくれたりもする。
理科の阿院先生は、アインシュタインのそっくりさんという分かりやすい設定だ。偏差値30台の子供たちを東大へ入れる必勝テクニックを披露する一方で、「でも、受験一辺倒じゃあ…」と疑問を抱く先生に、こんな説明をしたりする。
3年生の二人はかわいそうでヒ…理科の面白さを知ってほしかったけど、二人には時間がありません。残念でヒ。そのぶん1・2年生にはいろんな体験をさせてあげたい。それが受験につながって合格を後押しできるようにね。心の底から深く感銘を受けてしまった。独特の「でヒ…」の語尾も、もうちっとも気にならない。阿院先生、感動をどうもありがとう。
いわば、これは教師における二重目標という考え方でヒ。目標を立てるときは二重に準備するといいいのでヒ。
普通は誰もが「○○を○○だけやるぞ」と目標を立てます。「物理の問題を毎日15問解くぞ」というようにね。でも大抵は三日坊主で終わる。なぜなら目標がただの願望になっていて、昨日できなかったから今日は倍やるぞ、などと無理を重ねてしまうから。
そしてひとつ失敗すると、すべてがダメだと思って諦めて投げ出してしまう。これを防ぐために目標を二つにするのでヒ。最低限なしとげたい目標と、もしできたら理想的な目標の二つを用意するのでヒ。
私の場合は生徒を受験で合格させる、これは最低でもなしとげたい…。そして理想は生徒のみんなが科学について興味を持ち、将来自分も科学に携わって社会の役に立ちたいと思う人間を育てることでヒ。
なんだか仕事のやる気もわいてきたりするので、作業の合間にときどき『ドラゴン桜』を手にするのが癖になってきている今日この頃だった(あ、言い訳?)
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